日本の大企業がシェールガス革命を牽引する



日本の大企業がシェールガス革命を牽引する

シェールガス革命を予見して上昇するニューヨーク株式市場

NY株式市場はシェールガス革命を折り込み始めているNY株式市場はシェールガス革命を折り込み始めている

ニューヨーク株式市場は、既に数年前からシェールガス革命を折り込み始めています。
東京株式市場の日経平均株価は昨年の11月からやっと上昇を開始しましたが、ニューヨークダウは既に2009年から上昇を続けています。
確かに3〜4年前を思い出してみますと低迷する東京株式市場の日経平均株価を尻目に、ニューヨークダウは上昇を続け「どうしてニューヨークダウは、こんなに上がるのか?」が日本の市場関係者の素朴な疑問でした。
そして、興味深いのは、アメリカの石油輸入依存度(全石油消費量に対する輸入量の比率)とニューヨークダウの相関関係です。

米の石油輸入依存度とNYダウの相関関係は逆になっている米の石油輸入依存度とNYダウの相関関係は逆になっている

アメリカの石油輸入依存度とニューヨークダウの相関関係は2009年までは「順」の関係でしたが、2009年以降は「逆」の関係になっています。
つまり、2009年まではアメリカの石油輸入依存度が上昇するとニューヨークダウも上昇していましたが、2009年以降のニューヨークダウは上昇を続けていますがアメリカの石油輸入依存度は一貫して下がり続けています。
2009年以前のアメリカ経済は、製造業よりも金融業や知的サービス業の時代でした。そして、アメリカ国内の高度なサービスと高い付加価値を維持する為に、海外から石油や天然ガスを輸入していた訳です。

機械・鉄鋼・石油プラント等がNYダウの上昇を支えている機械・鉄鋼・石油プラント等がNYダウの上昇を支えている

しかし、シェールガス革命によってエネルギーの自給が進み、アメリカの石油輸入依存度は一貫して下がり続ける中でニューヨークダウはアメリカ経済の新しいパラダイムを折り込みつつあると言えます。
その様なニューヨークダウの上昇を支えている業種は、機械・鉄鋼・石油プラントなどのシェールガス掘削関連銘柄や安価な原料の恩恵を受ける石油化学などの製造業が中心となっています。
また、輸送コストや発電コストの低下で2次的・3次的に恩恵を受ける物流や陸運・空運・自動車などの企業が、ニューヨークダウの上昇を支えています。
つまり、20世紀のオールドエコノミーを支えてきた重厚長大企業の復権という構図です。
この様なアメリカ経済の大きなパラダイムの変化は、アメリカ経済と密接に結び付いている日本経済にも大きな恩恵を与えることが容易に想像できます。
そして、日本企業は恩恵を受けるだけではなくて、今後のシェールガス掘削の技術革新の鍵を握っているとも言えるのです。

シェールガス掘削に欠かせない日本企業の技術力

シェールガス掘削は日本企業の得意分野が非常に多いシェールガス掘削は日本企業の得意分野が非常に多い

実はシェールガス掘削は日本企業の得意分野が非常に多いのです。従って、現在のシェールガス掘削を支えているのも日本企業ですが、今後のシェールガス掘削の技術革新の鍵を日本企業が握っているとも言えるのです。
まず、シェールガスの地下3,000メートルにも及ぶ圧力に耐える鋼管パイプは、日本の鉄鋼メーカーが世界一です。
そして、シェールガスの運搬容器には炭素繊維が使われていますが、日本の炭素繊維の世界シェアは約70%に及んでいます。
更に、シェールガス掘削に使う窒素や酸素も日本企業の得意分野です。
また、シェールガス掘削に伴う土木工事には、大手ゼネコンや建設機械やタイヤメーカーの力が必要であることは間違いありません。

掘削に使われる大量の水の処理は日本の水処理企業の出番掘削に使われる大量の水の処理は日本の水処理企業の出番

そして、シェールガス掘削に使われる大量の水の処理は、日本の水処理企業の出番です。
更に、シェールガスを使った火力発電プラントの需要も増えそうです。
シェールガス掘削による環境問題を解決するのも日本の環境関連企業です。
これらは、シェールガス掘削に直接関連する業種ですが、これ以外に2次的・3次的にシェールガス革命の恩恵を受ける日本企業は枚挙の暇がありません。そこで、業種別に具体的な企業名を挙げて見ます。