シェールガスで張り切る商社



シェールガスで張り切る商社

シェールガス権益取得トップバッターは住友商事で4番バッターは三菱商事

米も日本もシェールガス開発の重大性に気が付いた米も日本もシェールガス開発の重大性に気が付いた

海外のエネルギー掘削権益と言えば日本の総合商社の出番ですが、アメリカの石油メジャーがシェールガス開発に出遅れた様に日本の総合商社もシェールガス開発には出遅れました。それは、シェールガス掘削のイノベーションが、アメリカの石油メジャーや日本の総合商社とは縁の無い中小企業によって成し遂げられたからです。
そして、2009年末にアメリカ石油メジャーのエクソンモービルがシェールガス開発大手のXTO社を410億ドルで買収してから、アメリカ石油メジャーも日本の総合商社もシェールガス開発の重大性に気が付いた訳ですね。

日本商社で最初にシェールガス権益を獲得した住友商事日本商社で最初にシェールガス権益を獲得した住友商事

その様な中で総合商社としてはエネルギー分野に出遅れていた住友商事は、たまたま2005年にメキシコ湾岸での在来型の石油ガス田開発に参画していました。
しかし、その石油ガス田開発は失敗に終わりましたが、シェールガス開発のパイオニアであるミッチェルエナジー社を知り2009年12月に日本の総合商社として最初にシェールガス権益を獲得しています。


総投資額でトップはやはり総合商社業界トップの三菱商事総投資額でトップはやはり総合商社業界トップの三菱商事

その後、2010年以降は日本の総合商社が雪崩の様にシェール権益を獲得していますが、総投資額でトップはやはり総合商社業界トップの三菱商事となっています。三菱商事のシェール権益の特長は、アメリカのメキシコ湾岸ではなくてカナダのシェールガスに重点を絞って投資していることです。投資額はカナダのコルドバが約362億円で、同じくカナダのモントニーが約2,320億円と成っており、シェール権益の総投資額は8,000億円を超える規模と言われています。

三井物産と丸紅・伊藤忠各社はバランス良く投資している三井物産と丸紅・伊藤忠各社はバランス良く投資している

また、三井物産と丸紅・伊藤忠各社は、アメリカのシェール権益のシェールガスとシェールオイルにバランス良く投資しているのが特長と言えます。三井物産はポーランドでも10鉱区の権益を獲得しています。更に、豊田通商はオーストラリアの石炭層メタンガスとカナダの石炭層メタンガスに合計580億円投資しています。
その結果、2010年〜2012年の日本の総合商社が世界のシェール権益に投資した額は、予定も含めると2兆円を超えると言われています。

今後は天然ガスのトレーディング額が増える今後は天然ガスのトレーディング額が増える

また、各商社は権益に対する投資だけではなくて、アメリカでの天然ガスのトレーディングにも参加しています。もともと、原油や金や穀物などのコモディティーのトレーディングは商社の得意分野ですが、今後は天然ガスのトレーディング額が増えそうです。